桃の品種が違えば、硬さも味もまったく違います
「はっさく」と「いよかん」の違いは誰でも知っていますが、
「ちよひめ」と「清水白桃」(岡山の代表的な品種)の違いを知る人は少ないでしょう。
品種の違いはだれでもわかります。利き桃(?)はできなくても、品種による違いはとっても明らか
「おいしい!」とお客様が電話を下さった同じ日に「おいしくない」のお声を別の人からいただく……。
桃にだけそんなことが起こるのだと、フルーツを扱う流通関係者から聞いたことがあります。
桃以外のフルーツで、ここまでは意見がまっぷたつに割れないそうです。
理由は簡単。桃の品種が多彩なことをほとんどの人が知らず、桃の好みを品種の好みで語っていることを自覚する人が少ないのです。
スーパーの表記は品種より大雑把な分類ですので、自分が食べている桃の品種を知ることは簡単ではありません。
当園では多くのかたが、品種のこだわりをはずして、さまざまな桃の違いを楽しんでくださっています。
品種による味の違いは、栽培方法による味の違いに比べると小さなことと感じている方が多いように感じます。
当園は、無肥料、低農薬、完熟収穫という栽培方法が珍しいせいか、品種が同じでも、他の農園と同じ味になりません。
ちよひめ 当園、最大人気の桃。極早生の品種
第一期 6月10日前後~6月17日前後(予定)/雨よけの屋根つきで栽培
第二期 6月15日前後~6月25日前後(予定)/露地栽培
極早生の代表格のような品種です。
錦自然農園が作っている桃のなかで、長年にわたり毎年ご注文くださる方が最も多い品種は、「ちよひめ」です。
甘みの強い品種ではなく、淡白であっさりしており、まだ真夏の太陽をほとんど浴びていない桃ならではの品のよい薄味で、
夏の盛りに収穫される桃の濃厚さとは趣がまったく違います。
あとをひかないすっきりした風味と、名前のとおり小ぶりな姿のかわいらしさで人気があります。
どちらかというと柔らかめですが、到着直後は硬いと感じることもあります。
皮はむきやすく、種ばなれも、よいほうです。果肉は白いです。
冬季の温度管理で成長を促進させる栽培をのぞくと、熊本のちよひめは全国でもっとも早く収穫できる桃のひとつです。
日川白鳳 早生品種。ちよひめに似ているけれど、少しだけ大きい
6月20日前後~7月3日前後(予想・当初より遅め予想に更新)/屋根付き栽培・露地栽培
「ちよひめ」と同じ早生品種です。
早生ならではの淡白であっさりした持ち味のなかに、「白鳳」から生まれた品種らしく白鳳と通じるところもあります。
結果として、ちよひめのようにさわやかな風味とジューシーさを持ちながら、味わいはちよひめより強くなります。
サイズはちよひめより大きく、ちよひめより果肉も やや硬めです。
当農園では、「ちよひめ」と「日川白鳳」を「前期の桃」として販売しています。
皮はむきやすく、果肉は基本的に白い桃ですが、2013年の日川白鳳の後期(露地栽培)は、果肉の赤みが強いものが増えました。樹や実のなっている場所で変わるとお考えください。
あかつき 皮も果肉も赤い、硬さと甘さが人気の高級桃
7月15日前後~7月25日前後(予想)/露地栽培
皮も果肉も赤みの強さが特長的です。
果肉は白地にまだらな濃いピンクが入ります。果肉が緊密で硬めです。ずっしりと思い感じがします。
甘さに定評があり、高級桃として高価格がつけられることも多いようです。
唯一の欠点は、中が茶色くなっていても外側には一切の影響を与えないため、お届け先から「中が茶変していた」という連絡をいただくことがあります。でも、通常の桃はその茶色の部分は苦味ですが、当園のそれは甘いので、食べてください。
新鮮な状態のとき、皮がむきにくくなりやすいです。
種ばなれは、よくないほうです。
川中島白桃 コレがいちばん好き、という人が多い硬めの桃
7月25日前後~8月10日前後(予想) 露地栽培
硬い桃として「硬い桃好きの人」に絶大な人気があります。
果肉は白く、緊密で、ジューシーです。
夏の太陽を長期間受けて育った桃なので、甘さの強さも特長的です。かぶりついて食べるには最高の食味といえます。
当園の桃の中でもっとも大きなサイズの桃です。
成長期の気温変化によって、果実の大きさが変わりますので、大きさはお約束できません。
近年は気温の変動が、例年にないパターンになることが多く、さまざまな点で予想を超えることがあることをご了承ください。
新鮮な状態のとき、皮がむきにくくなりやすいです。皮のむきやすさと新鮮さの間に明快な関連づけはできないと思います。
種ばなれは、よくないほうです。
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●白鳳系・・・6~7月の桃 ちよひめ、日川白鳳・・・あっさりした上品な持ち味
●白桃系・・・7月下旬以降の桃 川中島白桃、清水白桃・・・・甘みが強い
●白鳳×白桃・・・あかつき
桃の品種は数百におよびます。日本で作られているもので数十あります。
言葉で品種ごとの特長を言葉するのは、限界があります。
糖度の高さは作物のおいしさの目安になりません。どのフルーツであれ、
味は酸味、苦味、繊維の密度(硬さや柔らかさなどの食感のもと)などなどの要素がつくります。
品種の特性は各要素のバランスです。
「ふわふわしていない桃を探していた」
「甘いだけじゃない桃を食べたかった」
と、うちの桃をほめてくださる方がしばしばおっしゃいます。
肥料を使わない果実は実がしまり、硬い印象になる傾向があります。
当園の桃に関していえば、6~7月の桃は硬いという印象は持たれにくいと思いますが、7月下旬以降の桃は硬めです。
品種によらず、 「ふわふわ」の桃を作る方法は当園では行っておりませんので
「桃はふわふわに限る」という方はご注意ください。