完熟で収穫したフルーツは、消化がよく、体を冷やさず、体にスッと入る感覚があります
完熟で収穫するフルーツは少ない
収穫され、地面から切り離されたときから作物は、すべてエチレンガスを発しながら、腐敗していきます。
腐敗によって色が濃くなった作物を「完熟」と呼びますが、
未熟で収穫したものが、完熟フルーツに化けることはありません。
時代が求めるのは、畑から搬出された果物が何日たっても美しい外観を保つことです。
ほとんどの果物が未熟のうちに収穫されるのは、それが理由です。
バナナは青いうちに、いちごはへたの周囲が白いうちに、ほかの果物も硬いうちに青いうちに収穫すれば、食卓に届くまでの長い旅をしてもきれいでいられます。
経済リスクが圧倒的に減るので、一般的に販売店や卸業者やJAは「未熟で収穫」することを農家に求めます。
完熟の意味がほとんどマスコミで喧伝されないのは、完熟フルーツが流通していないからにほかなりません。
近年、若者やこどもが果物を嫌い、食べなくなっていることが報告されています。
彼らが果物を食べないのは、未熟収穫のフルーツしか食べていないからかもしれません。
「ふだんは食卓にだしても食べないのに、全部食べてしまった」とびっくりされるお母様の声をしばしば聞かせていただきます。
その理由は肥料を使わない、農薬をなるべく使わない、そしてもうひとつ大事なポイントが「完熟収穫」ではないかと思っています。
完熟フルーツはおいしい、体にしみこむ
「フルーツは陰性だから、体を冷やす」
「フルーツは体を冷やすから夜は食べないほうがよい」
「フルーツは体を冷やすから病人には食べさせないほうがよい」
自然療法や食事療法に通じている方なら聞いたことがあると思います。
ここでいうフルーツは、未熟で収穫されたフルーツのことです。
完熟収穫のフルーツがほとんど市場に出ていないので、「フルーツは体を冷やす」という言い方を一般的にされます。
完熟で収穫されたフルーツは体を冷やしません。
これは自然療法に詳しい医師にも確認しました。
もうひとつのメリット。完熟で収穫されたフルーツは、未熟の収穫と比較すると美味しいです。
完熟で収穫されたフルーツになれていると、未熟収穫のものがわかるようになります。
まだ熟してないうちに収穫されたフルーツは、体にスッと入らないのです。
「体にスッと入る」という感想を当園ではどのフルーツにもいただきますが、
最大の理由は完熟で収穫しているためではないかと考えます。
完熟収穫のデメリット
●桃の場合
桃はりんごと並んでエチレンガスの生成量が多い作物です。
りんごは硬いですが、桃は柔らかいのでエチレンガスの影響を強く受け、完熟のリスクの高いフルーツのひとつとされます。
見た目の美しさが重視されるため、農家産直であっても、完熟で収穫することがほとんどありません。
慎重に丁寧に箱詰めするため、時間がかかり、一日の発送量が限定されるほどですが、
ほんのときたま運送中の取扱いの事故などで衝撃が加わり、それが時間の経過によって全体に広がり、お取替えが必要なものが届くことがあります。
その際は、手をおつけにならず、すみやかに連絡をお願いします。
●葡萄の場合
錦自然農園のぶどうは、殺菌剤・殺虫剤・除草剤不使用、完熟収穫でお届けしてきました。
葡萄を箱詰めにすると、葡萄から発生したエチレンガスが箱内に満ちそれにより、粒が取れやすくなります。
完熟で収穫された葡萄は、エチレンの生成も活発なため、粒の取れやすさが大きな問題となります。
●柿の場合
柿は果実が硬く、皮も厚いので、エチレンガスの影響はほとんどありません。
●いちごの場合
完熟の場合、慎重の上にも慎重にパック詰めを行っておりましたが、どうしても角がパックにぶつかり、イチゴが傷ついて再発送になることが年に数回発生していました。
2013年暮れ~14年より、パック詰めを排し、これまで「お取り寄せいちご」でお送りしてきた方法と同じように、「自然派いちご」もトレーでお送りすることになりました。